・成人期のむし歯と歯周病は適切な手入れ(セルフケアとプロフェッショナルケア)で
確実に予防ができます。
・一生自分の歯で美味しく食べるために、むし歯と歯周病をしっかり予防しましょう。
■セルフケア
・むし歯と歯周病の直接の原因は歯垢(プラーク:歯のまわりにつく白いカスで、細菌のかたまり)です。
・予防の第一歩は、毎日の歯みがきで、きちんと歯垢(プラーク)を取り除くことです。
・磨き残しはないか、歯ぐきに赤く腫れている場所はないか、歯みがき後に鏡でチェックする習慣をつけましょう。
・むし歯と歯周病を予防するためには、バランスのとれた規則正しい食事も重要です。
特に、間食や糖分を含んだ飲み物をだらだらと摂ることはプラークを作りやすくします。
・喫煙は歯周病の発症・進行を早めます。禁煙・減煙に努力しましょう。
■プロフェッショナルケア
・歯垢(プラーク)が唾液の中のカルシウム分で少しずつ固まったものが歯石です。
歯石は細菌の住みかとなりやすく、歯ぐきを刺激して炎症を悪化させます。
・歯石は歯ブラシでは落とせません。3ヶ月〜1年に1回(本人の状態により異なります)、
定期的に歯科医院で歯石を取ってもらう必要があります。
・痛みや腫れなどの自覚症状が出た時に受診するのではなく、定期的に歯科医師や
歯科衛生士によるチェックを受け、必要に応じてセルフケアの指導や歯のクリーニング
(プロフェッショナルケア)を受けることが8020※(ハチマルニイマル)を達成するための
近道です。
※ 8020(ハチマルニイマル)運動
20本以上の歯を保っていれば、ほぼ何を食べるにも困らないことから、
80歳以上になっても20歯以上の自分の歯を保ち、生涯にわたり自分の歯で美味しく
食べられるように しようという運動
・セルフケアとプロフェッショナルケアは『車の両輪』、どちらが欠けても歯の健康を保つことは難しくなります。
喫煙が、ガン・心疾患・脳血管疾患・高血圧などの生活習慣病と深く関連していることは良く知られていることです。
喫煙は歯周病にも大きな関係があり、喫煙本数が増えるほど歯周病にかかりやすくなっていることがわかっています。
(下図では、1日に31本以上タバコを吸う人は、吸わない人の5.88倍も歯周病にかかりやすいことを示しています。)
喫煙は歯周病を悪化させるだけでなく、歯ぐきの色を黒ずませて見た目を悪くしたり、
口臭の原因にもなります。さらには口腔ガン(歯ぐきや舌にできるガン)の原因にもなります。
【参考】
『歯周病』は腎症、網膜症、神経障害、大血管障害、小血管障害に次ぐ第6番目の慢性合併症といわれています。
国内外の調査から、糖尿病の人はそうでない人に比べて
『歯周病』にかかっている率が高く、しかも重症化しやすいこと
むし歯も多く、残っている歯の数が少ないことがわかっています。
★実践のためのヒント★
・食べ物を一口入れたら、箸を置いて、いつもより5回多く噛むようにしましょう。
目標は一口30回噛むことです。
・カレンダーや日記に食事毎に「しっかり噛んで食べられたら◎印」を付け、
少しずつ◎印を増やすように努力するのも良い方法です。。
厚生労働省が実施した国民健康・栄養調査においても『40歳以上において、歯の本数が20本以上の者は19本以下の者に比べ、
「何でも噛んで食べることができる」と回答した者の割合が高い』との結果が出ています。