虫歯は、口の中にいる細菌が糖から酸を産生し、その酸によって歯質が溶かされる病気です。
歯の表面のエナメル質の部分が白くなる程度の虫歯ならフッ素塗布や歯みがきなどで回復することもありますが、象牙質まで進み見た目が黒くなった虫歯は自然治癒することはありません。
虫歯が神経まで進むと、神経の治療をするので治るまで時間がかかり、神経を取った歯は、もろくなります。歯がズキズキ痛む場合は虫歯が神経まで進行している場合が多いので、できるだけ早いうちの治療をおすすめします。
痛くなくても半年に1度は、歯科医院で定期検診を受けると、自分では気づかない小さな虫歯の早期発見ができて、簡単に治すことができます。
●エナメル質の虫歯(症状:ほとんど痛みがないか、なんとなくしみる程度)
小さな虫歯はコンポジットレジンという歯と同じ色合いのプラスチックでつめる治療をします。
治療回数は1回で済みます。
【検査】
視診・触診・打診・エックス線診査などで、歯やその周りの状態を調べます。
↓
【診断・治療計画】
検査結果に基づき治療計画をたてて、その内容を説明します。
↓
【治療開始】
①虫歯の部分を削る。
②削った部分に接着処理をする。
③歯と同じ色合いの材料コンポジットレジン(プラスチック)で詰める。
④詰めた部分の表面を研磨して形をととのえる。かみ合わせを調整する。
↓
【治療終了】
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【定期検診】
3ヶ月に一度、定期健診を受けましょう
●象牙質の虫歯(症状:冷たいもの、熱いもの、甘いものがしみる)
象牙質まで虫歯が進行している場合は神経を保護する処置をした後、型を取って部分的に詰める治療をします。型を取った後、詰め物(インレー)が完成するまで時間がかかるので治療回数は大体2回くらいです。
【検査】
視診・触診・打診・エックス線診査などで、歯やその周りの状態を調べます。
↓
【診断・治療計画】
検査結果に基づき治療計画をたてて、その内容を説明します。
↓
【治療開始】
①局所麻酔(痛みがある場合)
②虫歯の部分を削る。
③神経を保護するセメントをつめる。
④詰め物(インレー)の型を取る。
⑤仮の詰め物を入れる。
歯科技工所などで詰め物(インレー)を造ります。
⑥仮の詰め物を外して削った歯を清掃する。
⑦詰め物(インレー)を入れてかみ合わせを調整する。
⑧調整終了後、詰め物(インレー)を研磨して歯に接着する。
⑨虫歯の部分を削る。
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【治療終了】
治療後は30分くらい飲食は避けて下さい。虫歯が大きくて神経近くまで削っている場合は、
治療後にしみる場合がありますが、徐々に治ってきますので、心配は要りません。
ただし、ズキズキ痛む場合は医師に相談して下さい。
【定期検診】
3ヶ月に一度、定期健診を受けましょう
●歯髄炎(症状:何もしなくてもズキズキ痛む、または物をかむと痛む)
虫歯が神経まで達した場合は、まず神経を取る処理をしてから土台を立てて最終的に全体的にかぶせる治療をします。治療終了までの期間は長くかかる場合があります。
【検査】
視診・触診・打診・エックス線診査などで、歯やその周りの状態を調べます。
↓
【診断・治療計画】
検査結果に基づき治療計画をたてて、その内容を説明します。
↓
【治療開始】
①局所麻酔(痛みがある場合)
②虫歯の部分を削る。
③虫歯に感染した神経を取る
④根の長さを測る。
⑤根の中を器具を使って拡大する。
⑥根の中を洗浄する。
⑦根の中に殺菌作用のある薬を入れる。
根の中が完全にキレイになるまで(1)~(7)の治療を毎回くりかえします。
⑧根の中に最終的な詰め物をいれる。
⑨土台を立てるために根の部分をを削る。
⑩土台の型を取る。
歯科技工所などで金属の土台(コア)を造ります。
⑪歯の根の部分に金属の土台(コア)を入れる。
⑫土台(コア)を削って形を整える。
⑬最終的にかぶせる物(クラウン)の型を取る。
歯科技工所などでかぶせる物(クラウン)を造ります。
⑭かぶせる物(クラウン)を入れてかみ合わせを調整する。
⑮調整終了後、かぶせる物(クラウン)を研磨して歯に接着する。
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【治療終了】
治療後は30分くらい飲食は避けて下さい。
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【定期検診】
3ヶ月に一度、定期健診を受けましょう